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イベントアクション機能: (2) イベント機能

はじめに

先週はイベントアクション機能の概要について紹介しました。今回はFITELnet Fシリーズのイベントアクションでサポートしているイベント種別を紹介します。
イベントを説明する前に、イベントの状態や判定方法を示す用語を、説明しておきましょう。

  • True
    「正常」と認識される状態。Ping監視であれば、Pingの応答がある場合の状態
  • False
    「異常」と判断される状態。Ping監視であれば、Pingの応答がない場合の状態
    ※イベント状態がTrue時にアクションが発動、イベント状態がFalse時にアクションが解除となります。
  • invert
    True/Falseの判定を逆に認識する判定方法
    Ping監視をinvertで判定することにした場合、Pingの応答がない場合がTrueとなり、Pingの応答がある場合がFalseとなります。
    invertは、実際のネットワーク運用では便利な機能になりますので、覚えておきましょう。例えば、「Ping監視に失敗したら」は、invert判定を利用していることになります。

イベント機能

次に、いろいろなイベント機能の詳細について説明します。FITELnet Fシリーズでは、現状8種類のイベントをサポートしています。それぞれについて解説します。

    • NexhHop
      経路冗長を実現する場合、通常経路とは異なる経路を監視したいということは、よくあります。このような目的で、特定のNextHopを指定したPing監視が可能です。
    • 送信元アドレス指定(インタフェースを指定)
      IPsecトンネル内でPing監視を行う場合、監視パケット自体をIPsec対象パケットとする必要があります。このような場合、監視パケットの送信元アドレスを指定して、IPsec対象パケットとするやり方が有効です。
    • 一度の送信契機で発出するパケット数
      回線の品質まで監視する場合には、発出した数に対して幾つ応答があったかを監視することで、判定することができます。例えば、2発中1発応答があればTrueと判断するといった使い方や、3発中1発応答があれば復旧と判断するといった使い方が可能です。
    • 監視間隔
      監視する間隔を指定することができます。監視間隔は、冗長運用を設計する上で、重要なパラメータです。FITELnetでは、True時とFalse時で異なる間隔を指定することができます。
    • 監視成功/監視失敗と判断する回数
      連続して何回成功したらTrueとするか、連続して何回応答がなければFalseとするかを指定することができます。
    • タイムアウト時間
      応答のタイムアウト時間を指定することができます。
    • パケットサイズ
      パケットサイズを指定することができます。Ping監視
      監視指定した宛先に対して、応答がある場合がTrue/応答がない場合がFalseになります。
      宛先は、IPv4アドレス、もしくはIPv6アドレス、もしくはFQDNで指定します。Pingのパケットの各種パラメータや発出数は設定で変更でき、監視する内容をカスタマイズできます。

  1. インタフェース状態
    各論理インタフェースの状態を監視して、UPしている場合はTrue、DOWNしている場合はFalseになります。
  2. VRRP状態
    指定したインタフェースで動作するVRRPの状態を監視して、Masterで動作している場合はTrue、DOWNしている場合はFalseになります。
  3. 時刻指定
    指定した時間内をTrue、それ以外をFalseとして動作します
  4. 内部リソースの状態
    CPU使用率、メモリ使用率、NATテーブル使用率、フィルタリングテーブル使用率、経路情報使用率、パケットバッファ使用率、ARP/NDPテーブル使用率、温度センサーの上限閾値を設定し、閾値内であればTrue、閾値を超えた場合はFalseとして動作します。
  5. モデム状態
    USB接続しているモデムの状態を監視して、正常に動作している場合はTrue、異常状態の場合はFalseになります。
  6. 電波状態
    USB接続しているモデムが接続しているモバイル回線(LTEなど)の無線電波状態が良い場合はTrue、無線電波状態が悪い場合はFalseになります。
  7. FAN状態
    正常状態ではTrue、異常状態ではFalseとして動作します。

このように、様々なイベントを契機にして、動的に動作を変えていくことができる大変便利な機能です。

さらに、これらのうちの幾つかを組み合わせて使用することも可能です。組み合わせる場合は、どれか1つがTrueとなったらアクションを発動するか、全てがTrueになった場合にアクションを発動するかを指定することができます。

また、False→Trueとなった場合、すぐにアクションを発動するのではなく、Trueが指定した時間継続した場合にアクションを発動するオプションもあります。チャタリングのようなケースで有効な設定です。

次回はアクションの種類の詳細を紹介します。